物質的な振り返りが終わって、今度は精神的な振り返りというか、今思うこと
前回の続き
今回のルート
青い線の矢印の方向に進んで黄色い線は飛行機で飛んだ区間です。
これから行く人のために伝えたいこと
実は、行って3か月経ってからの今、この記事を書いているんですが、個人的に、
“行った方がいいよ~”と軽い気持ちでは言うことが出来ません。
というのも、帰ってきてしばらくの間は、そこで起こっている事についてどうしても気になるから調べることが多く、調べれば調べるほど気持ちがふさがるのが事実で、現地で決定的な何かを見たわけではありませんが、報道と実体験とを組み合わせると、どうやら報道されていることは本当のことなんだろうなぁというのが私の結論で。
そう考えると、片やそんな大変なことが起こっている場所をのほほんと観光している自分に対して本当に申し訳なかったなぁという感情が沸き起こってきます。と同時に、何もできない矮小な自分を意識せざるをえませんし、生きていくことの不条理、理不尽というものをこれほどまでに身近に考えさせられたこともないです、50を過ぎたこの歳まで。
多分平気な人は平気なのかもしれない。でも私は平気じゃない。
元々この地の料理に魅せられて、シルクロードに関心があって(そういえばトルファンで一緒になったフランス人のノエミも同様の理由でこのルートを旅していると言っていた。多分一定数このルートを旅する人はいるんだと思う)西安から始まり西に進んでいく旅の一環で訪れた感じで、ちょっとしたシンパシーを感じているからこそ平気じゃいられないのかもしれないし、だから憂えるのかもしれないが、やはり帰国後はこの案件の報道を目にするとなにかしら喪失感に近いものを感じてしまいます。
あと、友人知人片っ端から会う人会う人すべてに今回の話を長々と語って最後にはウザがられます(笑)まぁそれほど自分の中ではショックだったので、少しでも話すことで整理したい気持ち、緩和したい気持ち、免罪符を求める気持ちがあるのかもしれません。
こんな記事をみつけました
心理学で“カラーバス効果”というものがある。自分が意識していることほど、それに関係する情報が自分のところに舞い込んでくるという心理的な法則のことなのだが、やはりネットでちょっとした調べものをしているときに目にした記事なんですが、
要約すると、、、
ある大学生が彼の地を旅して逐一Twitterに写真をアップしたところ、反響がものすごくて、それを知った筆者が彼らにインタビューしたというもの。彼らから聞き取りをした街の様子などが描かれています。
私のダラダラしたブログよりやはりプロがまとめた記事の方がはるかに読みやすくて臨場感があると思います。また、彼らが語る現状はほぼ的を射ていると思います。
ただ、以前のこの人の記事はそれなりに共感が持てるものが多かったのですが、どうも今回のこの記事については、ネットのトレンドに乗っかって無理にまとめた感が否めません。特にこの結び。
決して渡航を積極的にオススメはできないが、一般的な日本人旅行者であれば非常に安全な旅ができる「持続可能性のある地獄」、それが新疆だ。ご興味のある方は、次の休暇の旅行先として検討してみるのもいいかもしれない。新疆ウイグル「絶望旅行」を終えて帰国した大学生の本音より引用
現地を旅した者として、これはかなりウイグルの人たちに失礼な物言いだと思います。自分にしてもそんなものを期待して行ったんじゃないし、見てしまったから(知ってしまったから)こそどうしても心のモヤモヤが晴れないのだし😢
また、この記事によるとウイグル人以外(の、旅行者)はすんなり荷物検査も殆ど免除されるとありますが、そんなことは決してないです(現に哈密空港で30分近くパスポート取り上げられて意味のない質問をされるとかあった💦)、北京や上海を旅するのとは同列には語れないと思います。
話が長くなりましたが
私が言いたいのは、
・興味本位でなら、行くべきではない→ウイグル人に対して失礼なので。
・そんなんじゃなくて純粋に行きたいなら移動の際に色々手続き踏まないとめんどくさいけど、行けばいいと思う。(独特の自然や、失われつつある街並みは本当に素晴らしいので)
・ただ、私のようにハートの弱い人は絶対後を引くと思う。
長々シルクロード旅行記にお付き合いいただきありがとうございました。返す返すもあの新疆での日々は今となっては夢を見ていたような気分。
語り掛けるような優しい響きのウイグル語と、美味しい料理、豊富な果物、静かな街並みと。
了